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生産者紹介
橋本有機農園
取り扱い品目 平飼い卵 有機野菜セット(メンバーの一人として参加)
栽培品目 有機野菜全般(40〜50種類)と平飼い卵。
所在地 丹波市市島町
生産者から一言
有畜循環型の有機農業をめざして20年。
約年間40種類の有機野菜を生産し、平飼いで養鶏もやっています。
飼料は安全性を考慮し遺伝し組替えフリ−のトウモロコシを使用してます。
当農場はアジアとの交流もしており、国際有機農業運動連盟を通じ、
アジアの有機農業団体との交流事業も行なっています。
橋本有機農場さんの想い・履歴他
橋本慎司 さん履歴
昭和36年12月生まれ。20年前、サラリ−マンを止め、丹波市市島町で就農、以来、無農薬・無化学肥料の
有機農業に取り組んできました。年間40品目以上の野菜を栽培し、平飼いの養鶏400羽、自給用に合鴨農法で
稲もつくっています。
こだわり1、有機農業
もともと生命には自らの命を維持する力が備わっています。風邪薬に頼ったら抵抗性がなくなり風邪を
引きやすくなることを聞いたことがあるでしょう。
また最近、お医者さんも体の抵抗性をつくるため、抗生物質の投与を控えるよう指導されているようです。
作物の同じです。農薬に頼っていると植物の抵抗物質の値が少なくなることが欧米の研究などからも
あきらかになっています。
健康な体は健康な野菜を食べることではないかと考え、当農場では有機農業にこだわります。
8年前から農水省のJAS有機の認証を受けました。
こだわり2、無農薬
よく消費者から、「農家から農薬なしでは野菜はできない。」と聞かされたという問い合わせを受けます。
じゃあ-農薬もなかった昔には野菜がなかったのかと聞き返したくなります。
今でも農薬や化学肥料が高額で購入できない第3世界では農薬も化学肥料も使用せずに食糧を生産しています。
キュ−バでは環境によくない農薬の使用が都市部で禁じられていますが、
市民は平然と農薬を使用せずに野菜を作っています。
只、農薬を使わないと見てくれはス−パ−などで見るものには劣ります。
でも見てくれだけで野菜を判断するのはかわいそうです。
WHOの調査によると世界で毎年300万人が農薬の中毒による被害を受け、
2万人が農薬による事故で死亡しているといわれています。
また、農薬による環境汚染は河川の生物の減少にもつながっているとも言われています。
少量であっても環境ホルモンの影響があり心配です。だから当農場では無農薬にこだわります。
こだわり3、無化学肥料
「農薬が悪いのはなんとなくわかるがなんで化学肥料がだめなのか」という問い合わせもよくきます。
化学肥料そのものに毒性があるわけではなく、化学肥料のみ使用すると土壌のバランスがくずれてくることがあります。
また化学肥料は作物が窒素を急激に吸収し、植物体の窒素濃度が高まる可能性があります。
硝酸態窒素の高い野菜は糖尿病の原因になっている疑いがあるという研究発表もあます。
当農場では化学肥料は一切、使用せず動植物の残さを原料にした有機肥料のみを使用しています。
また寄生虫などの問題を引き起こさないよう、市島町有機農業堆肥センタ−で高温発酵したものと、
米ヌカ、油粕、平飼い鶏糞を十分微生物EM菌で発酵させた肥料のみを使用しており、なまの鶏糞、
なまの有機物を作物に直接、施肥することはしません。
土づくりは有機農業の基本であり、健康な食べ物は健康な土から「身土不二」が当農場のモット−です。
もちろん有機肥料の使いすぎも作物に硝酸態窒素を過剰に蓄積させることがあります。
特にハウス栽培ものは窒素が過剰になりやすい傾向にあります。
私自身は市島町有機農業研究会に所属し毎月、硝酸態窒素メ−タ−による作物の窒素測定をして
仲間の有機農業生産者と相談しながら安全な野菜づくりを日夜、研究しています。
こだわり4 多品目栽培
旬の野菜を旬に食べるのが一番おいしい!
うちの農場はトマトの専業農家でも胡瓜の専業農家でもありません。
野菜たちの専業農家です。
春にはほうれん草、小松菜、菊菜、ジャガイモ、人参、レタス、玉葱、エンドウ、蚕豆、
夏には胡瓜、トマト、オクラ、なすび、モロヘイヤ、トウモロコシ、南瓜、ピ−マン
秋にはチンゲンサイ、コカブ、サツマイモ、
冬には白菜、大根、キャベツ、ブロッコリ−、葱や里芋、菜の花。
畑に栽培される作物は40種類以上、いつも畑はいろんな作物や虫のオンパレ−ドです。
自然界にはいろんな生物が多様に生息して共存しているのに人間が作った畑は同じ植物ばかりが並んでいます。
同じ植物を植えると当然、同じ害虫が大発生するので農薬をかけざるおえなくなるのではないでしょうか。
うちの農場はできるだけ多くの作物を畑に植え付け、自然の法則に従った農法をめざしています。
こだわり5 平飼い養鶏卵
うちで飼っている鶏は鶏舎で自由に飛びまわって生活しています。
家畜といえど生き物、生まれてきたなら人間に食われるまで、本来の生き方が許されてもいいのではないでしょうか?
うちの農場の鶏は起きたい時に起き、寝たいところで眠る、元気に飛びまわる鶏の卵だから卵も元気です。
鶏の飼料は自分で納得したものを単品で購入し自家配合しています。
トウモロコシ、米ぬか、魚粉、大豆粕、蠣殻、にんにく、昆布粉、発酵ボカシを餌として使用してます。
ビタミン剤などの添加物は一切使用せず、野菜の残さや畔草などを与えています。
トウモロコシなど遺伝子組みかえをしていないものを使用するようにこころがけ、季節によっては地域内でとれる、
小麦、大豆くずなども使用します。魚粉は舞鶴港からきたもの、骨粉など狂牛病の疑いのあるものは一切使用しません。
また鶏を健康にするため、にんにく、昆布、発酵ボカシなども与えており、雛が到着してから一切の薬は使用しません。
また鶏の糞は全て、農場内で有機肥料(ボカシ肥料)として使用しており、畑の雑草が鶏の餌になり、
鶏の糞が作物の肥料になって、農場内で全てが循環しています。
これを有畜複合経営といいます。農場内から公害をださないことが持続可能な農業をめざすうえで
大切なことであると考えています。
こだわり6、有機JAS認定農家
「自然食品」「無農薬栽培」「こだわり食材」「無農薬・無化学肥料栽培野菜」「減農薬栽培」「安心野菜」
野菜売り場にはいろんな表示が氾濫して消費者にとってなにがなんだかわからないのが現状です。
でも知っていますか「自然食品」の表示には基準がないこと、「無農薬栽培」とか「無農薬・無化学肥料栽培」は
その作物が栽培された期間中のみが無農薬でそれ以前は農薬が散布された可能性があり農薬が残留している
可能性があること。
または一般的に「減農薬」とは慣行の50%減農薬で日本の北から南まで農薬の使用量が一定でなく
50%削減がはたして安全かどうかわからないこと。
だから消費者にわかりやすい表示をする必要があると考え当農場では有機JAS認定をとりました。
有機農産物は原則的に無農薬・無化学肥料(但し、自然由来の天敵、植物抽出液当の特定農薬は使用が認められている。)
で3年以上連続して栽培されなければなりません。
有機農産物であることを表示するには農水省が定めた基準をクリアしきちっと農場で使用される全ての資材をリストアップし、
栽培された期間、作付面積、収穫高すべてを認証期間に報告し、検査員が農場を調査して始めて認証されるという
きわめて厳しいチェックのもとに表示が認められています。
また安全な表示である有機農産物の基準は国際的にも定められている唯一の基準であり、
有機農産物=オ−ガニックは世界で共通した基準をもち、全ての先進国で有機農産物の表示は法制化されています。
こだわり7 自給をめざす農場
家はお米から野菜、鶏肉や卵なんでも家で作っていこうと思います。
家で食べるものはできるだけ家で作ろう、できるだけゴミや廃物が農場からでないように農場ではこころがけています。
最近では廃油を使ってトラクタ−を動かすバイオジ−ゼル燃料の実験も始めました。
環境によくないといわれているジ−ゼルも廃油を加工することで解決ができそうです。
食べ物だけでなくエネルギ−も農場で自給できないか検討中です。
こだわり8、国際協力
有機農業をする中で多くのアジアの農民との出会いがあり、農場ではアジアの農民、NGO職員の研修を受け入れています。
また国際有機農業運動連盟(IFOAM)のアジア地域の理事にも就任し、アジア各地の有機農業の大会に参加したり、
日本の有機農業の地域市場研修会を企画したりしてアジアの有機農業団体とも長年つきあいをしてきました。
自分が若い頃、ブラジルに住んだ経験から特に食糧の問題にも感心をもち、「援助」でなくアジアと人々から自分も学び、
お互いに教えあうこと目的にさまざまな活動を行なっています。
もちろん研修はアジアの人だけでなく、有機農業を志す真面目な人も農場で受け入れしています。
農場には小さいですけど簡易的な宿泊施設もあり、本当に真剣に有機農業を学びたい人は農作業つきで宿泊も可能です。
その他
橋本有機農園さん掲載記事
■有機の里づくり推進協議会HP 「わら一本の革命に感動して」
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