毎日田んぼに出るふっくんが、丹波・農業・世界を、時にはグローバルに、
時にはローカルなメッセージを送ります。
情報提供 丹波市春日町 婦木農場さん
麦わらふっくんの畑の真ん中から
〜 3、農業と祭り 〜
米の取り入れも終わり、あちらこちらで、お祭りがおこなわれています。
播州や河内など、賑やかで激しい祭りと異なり、ここ丹波では、厳かなというべき
静かなお祭りが行われています。
そもそも、お祭りというのは、農業と密接に結びついています。
農業を考えてみると、やはり天候に左右されることが多く、
安定した天候を願ってのお祭りや虫追いの夏祭り、
そして収穫感謝の秋祭りと常に人々は、神様にその思いをお願いし感謝してきました。
特にこの秋祭りは、お米が無事実ったことを神様に報告し、感謝する催しとなります。
私の小さな集落も、お祭りの日には、各家庭で煮しめを炊いて、
村人たちの手によってお神輿を出します。
私も何回も担ぎましたが、一種すがすがしい気持ちになるものです。
神事が執り行なわれますのでよく聞いておくとたいへんおもしろいです。
神主さんは、お神輿を出すことを神様を渡御にお連れするといわれ、お旅をされると表現されます。
つまりは、普段は、神殿におられる神様に、実った田んぼを見てもらい、
海のものや里のものでお祝いをするといったことがお祭りであるということのようです。
そのお旅の先導をするのが、猿田彦であり、様々な役付となります。
私の地域ではお旅のさきで、神輿を鎮座するお休みどころがあり、そこで、
もっそうという栗と小豆が入った赤飯が振舞われます。
帰りの道中は、宮入の歌が歌われ、再び神様を社に戻し、渡御は終わります。
昔はそれから、稲刈りになったようですが、今ではすでに刈り取った後の田んぼを見てもらうことになります。
つまり、昔は厳しい労働の間のつかの間の休みの時間であったでしょうし、
それこそ豊作を感謝する本来のものであったでしょう。
また、そこで、奉納される唄や踊りが伝統文化となり、後世に引き継がれていることは素晴らしいことですし、
こらからも、その背景、意味を含めて伝えていければ、更に意義深いと考えます。
丹波では、自然に対する畏敬の念が非常に強く、祭りが厳かに行われることも、納得できるように思います。
皆さんもこういう機会に、是非、お年寄りから、いろんなことを学び受け継いでいけるといいですね。
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