毎日田んぼに出るふっくんが、丹波・農業・世界を、時にはグローバルに、
時にはローカルなメッセージを送ります。
情報提供 丹波市春日町 婦木農場さん
麦わらふっくんの畑の真ん中から
〜 12、「食」と「農」のあり方 〜
いよいよ、梅雨明け、夏もいよいよ本番です。
梅雨明け前は、全国各地で豪雨に見舞われ、大変な被害もでました。
野菜の方も、雨と日照不足で作柄が良くなく、高値となりました。
こういった不作になり、高値になるとすぐにテレビなどで、大騒ぎとなります。
「野菜が高値で、台所を直撃!」などという見出しがでます。
「肉より高いですねー」なんていうコメントは、よくあることです。
農家である、われわれにしてみると、「何をいってるかー!!」と言いたくなります。
野菜は、安いという、固定観念が出来ているんでしょうねえ。
不作で出回る量が減って、高くなるのは当然のことです。
その時、一番辛いのは、せっかく苦労して育てた野菜が、泥をかぶってずるずるに腐ったりして、
収穫ができずにいる農家であることを知っておられるのでしょうか?
天候や病虫被害に左右され、収穫がままならないことは良くあることですが、
そんなリスクを背負っている農家の苦労を理解いただけないことが、一番つらいです。
価格の決定は、需要と供給によるのですが、今は外食産業などでサラダ類の需要などがあるため、
極端な不足が起こると一気に価格が上がってしまいます。
そうすると、すぐに輸入が行なわれるのが常なのですが、この春からのポジティブリストなどにより、
輸入も慎重になっており、今回のような価格の高騰に繋がると考えられます。
大型化、合理化、一極集中型などの現在の社会のことを考えると、そういった方向に進めば進むほど、
そのリスクが大きくなっていきます。
たとえば、給食も合理化の元に大型化、効率化を進めれば進めるほど、地元産の率は下がり、
リスクは高まります。食を大切に考えたり、子供たちのこと、農業のことなどを考えれば考えるほど、
やり切れない思いになります。
大切な「食」、そして、それを支える「農」。そのあり方を、こういうことがある度に、
ちょっと考えていただきたいなあと思います。
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