5回にわたり、たんばで住むことについてお話してきました。主に住む魅力についてお話してきましたが、少し住まいに関して昨今取り沙汰されていることに触れたいと思います。
タイムリーなところでは、所謂「構造計算偽装問題」です。一建築士による偽装が発端ですが、複雑に絡み合った業界の体質と相まって責任の所在を、尚一層分かりにくくしています。
分かりにくいといえば、悪質リフォーム業者の脅し商法も然りです。また、アスベスト問題やシックハウス問題もそうです。アスベストは、問題にされるまで建材に広く一般的に使用されてきました。
スレート系屋根材や天井材、壁の左官材料に含まれていました。シックハウスの要因となるトルエンやホルムアルデヒドを含む接着剤を作業性が良いとかローコストであるという理由から多用されました。業界の勝手な都合や限りなく続くエンドユーザーの欲求に業界は応えようとし、副作用を無視して、ひたすら開発を進めてきました。いつもそうです。建築の世界に係わらず、大局的に流れをみて、コントロールするシステムが構築されずに、副作用による症状が表出して慌てて対策をとり、糾弾的に誰かの責任を追及する。その繰り返しです。先日「誰をまた何を信用して良いのか解らない。」そんな声を耳にしました。
業界に対し不信の目を向けられている事を十分認識し、行動を起こす必要があります。
21世紀の住まいのテーマは、安全・安心・環境だと言われます。我々の使命は、皆様の生命財産を守ることです。業界は、営利のみを追求し目先の欲求に振り回され、命題を置き去りにしてきたことを反省し、諸問題を真摯に受け止め、解決を図る必要があります。
日本の人口増加もストップし、少子高齢化社会に向けて加速する現代こそ、一旦立ち止まり本当の行き方、住まい方について考える時期が来たと思います。たんばは、立地条件良くまた見識の高い方々が多くいらっしゃいます。たんばで意識を持ちながら暮らすことが、きっと日本人の今後の住まいについて提起することになると確信しています。