Bigムンムンのちょっと役立つ東洋医学

『牡蠣』は
天然ミネラルの宝庫
 


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前回は、恐竜特集号ということで普段は身近ではないですが、『竜骨』(りゅうこつ)を取り上げ、ご紹介しました。今回はその続きで『牡蠣(ボレイ)』を紹介します。『牡蠣』とは、生薬ではボレイと読みますが、皆さんご存知の貝のカキの貝殻のことです。美味しい牡蠣の肉よりも主に貝殻を薬として使用します。

『牡蠣』は代表的な鎮静剤

『牡蠣(ボレイ)』は、日本や朝鮮、中国などの近海に分布するイタボガキ科のマガキなどの貝殻で、通常、カキ全体を指して牡蠣と書きますが、牡蠣とは本来、カキの貝殻のことを指します。中国では牡蠣の肉のことを?と書き、生薬としては『牡蠣肉』といいます。
二枚貝で、昨年、ノロウイルスの犯人と疑いを持たれ、カキの養殖業者さんたちには大変な打撃となりましたね。カキの美味しい肉は、世界中で食用にされ、ヨーロッパでは紀元前より、日本では江戸時代より養殖されています。主成分は炭酸カルシウム(CaCO 3)ですが、リン酸カルシウムなどの無機塩、鉄、アルミニウム、アミノ酸などが含まれ、また免疫増強活性を有する多糖類の報告もあります。西洋医学的には単なるカルシウム剤としてとらえられがちですが、漢方では代表的な鎮静・鎮痛薬として、前回の『竜骨』などと組み合わせて効果を高め使用されるほか、収斂作用として発汗過多や盗汗(寝汗)、遺精、帯下などに用います。また、解熱や軟堅作用としてリンパ節腫脹、甲状腺腫などに用いるほか、制酸作用として胃酸による胃の痛み胸やけに用いられます。

 『化石の牡蠣を800 ℃で焼く』

生のボレイを用いると鎮静、軟堅、解熱の力が強く、焼いて用いると渋で乾燥するので収斂固渋の効果が増します。しかし、生のボレイは便秘になる傾向があり、化石の牡蠣(ボレイ)は、竜骨と同じく便秘になりにくくなります。

 整形外科の先生は、骨粗鬆症予防にCaの摂取を奨めますが、脳外科の先生はCaの摂り過ぎは脳の血管に沈着し動脈硬化を助長するとしてあまり奨められません。確かにCaの摂り過ぎは動脈硬化による脳血流障害をまねくようです。ところが化石のボレイを800℃で焼くとアミノ酸を焼ききるためか、Caの吸収率はぐっとよくなり、血管への沈着も少なくなります。

 地球上の全ての生物の起源は海から生まれました。約2万年前に人類が誕生して、いやそれ以前の祖先が陸で生活するようになり、海から離れた時から体内のミネラルバランスを整えるのは大変重要です。なぜなら、重篤な疾患にはなぜかこの起源的ミネラルが関与していることが多いからです。


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