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竜骨って恐竜の骨???
 


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前回は、身近な薬草・生薬(しょうやく)シリーズとして『生姜(しょうきょう)』を取り上げ、ご紹介しました。今回は恐竜特集号ということで普通は身近ではないですが、『竜骨』(りゅうこつ)を紹介します。『竜骨』とは…。昔の人はこんなものまでお薬にしていたのですね、その素晴らしい効果をご紹介します。

竜骨って恐竜の骨???

『竜骨』とは、古代の大型脊椎動物の骨格の化石です。と言っても、現在漢方薬の原料として使われている『竜骨』は、新生代のシカ類、サイ類、ゾウ類、マンモスなど大型哺乳類の化石を使用しています。でも、『竜骨』というだけに、昔は恐竜の化石も使っていたかもしれませんね。産地は、中国の山東、山西、陝西、四川省などに多く産出するのですが、特に有名なのはその名も『竜骨山』と呼ばれる北京市房山区の周口店の北西部に位置するまんじゅうの形をしたこの小さな山です。1929年に学者の裴文中氏によって北京原人の完全な頭蓋骨が発見され、人類の歴史をさらに50万年も遡らせることになった有名な場所です。化石の塊のような山で、掘れば『竜骨』という話を聞いたことがあります。

漢方薬としては柴胡加竜骨牡蠣湯、桂枝加竜骨牡蠣湯といった処方に使われ、どちらもうつ病や分裂症、不眠症など精神神経症によく使われます。化石であるので将来的に枯渇してしまうことが懸念されている生薬でもあります。また、そのためか偽物も多く、煮た牛骨等を粉砕し、石灰水に浸けてザラザラしたものがあり注意が必要です。本物は舐めると舌に吸い付く感じがします。これは本物の化石は多孔質なため水分を吸着しやすいからで、見分けることができます。

主成分は、炭酸カルシウムとリン酸カルシウムですが、この他に少量のアミノ酸、と微量元素も数多く含まれ、これがいろいろな薬効に関係していると私は思っています。
鎮静・安神が主な作用ですが、てんかんや神経症、不眠、盗汗、遺精、出血、下痢などに幅広く用います。特に桂枝加竜骨牡蠣湯は、円形脱毛症やパニック症候群などに効果があることが多くあります。

私の手元に、『竜歯』(りゅうし)といって、古代脊椎動物の歯牙の化石があります。その化石を見るたびに、この大きな歯が、もとはどんな動物?マンモス?だったのだろうとついつい太古へ思いを馳せてしまいます。
丹波での恐竜の発見が、世紀の発見になることを願っています。


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