Bigムンムンのちょっと役立つ東洋医学

身近な薬草・生薬8(生姜)
 


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前回は、シリーズとして『大棗(たいそう)』を取り上げ、漢方薬に使われる身近な薬草・生薬(しょうやく)をご紹介しました。第六回目は、「えっ?!これも薬なの?!」っと思われるくらい誰もが知っている一般的な食材のしょうが・生薬名は『生姜(しょうきょう)』です。

寒い日は、しょうが湯で温まりましょう
生姜はショウガ科ショウガの新鮮な根茎です。アジア原産で日本にも古くに渡来しました。中国で生姜といえば生のヒネショウガのことで、日本でも本来、生姜といえば食料品売り場にある薬味のヒネショウガのことを指していましたが、薬局方では生のものは扱わずに乾燥させたものを生姜としています。

発汗作用があり、悪寒・発熱などの感冒症状に用います。感冒の初期や予防にショウガをすりおろした生姜汁を熱湯に入れてしょうが湯として服用すれば体が温まって回復します。単独での発汗作用はあまり強くないので、ネギを加えたり汗腺をゆるめるのに砂糖を入れて甘くすれば効果は上がります。飴や蜂蜜と配合すると咳や痰の症状にもよくしょうが飴はのど飴として最適でしょう。

生姜は食中毒の予防に健胃作用もあり、嘔吐や食欲不振に効果があります。生姜は『嘔吐の聖薬』といわれるくらい悪心や嘔吐によく効きます。この冬大流行のノロウイルスには、漢方薬ではカッ香正気散や柴胡桂枝湯が大変よく効きました。手元にそれらの薬がない場合、嘔吐症状の緩和に応急処置として飲ませてみるのも良いかもしれません。以前、逆流性食道炎で悩んでおられる方に、しょうが汁を紹介したところ楽になったと大変喜ばれたことがあります。また、魚介類を料理する時、ショウガは食中毒予防や毒消しに欠かせません。紫蘇と一緒に用いるとより効果が上がります。そういえば、おすし屋さんのガリはショウガでお寿司には欠かせないものですね。

友人宅でのホームパーティーの時、一人が体調不良であったのか、豚肉を食べてジンマシンを顔一面に出しました。適当な薬がなかったので、応急処置として米のとぎ汁を煮つめ、そこへショウガをすりおろして加え、それを服用してもらいました。見る見るうちにジンマシンは引いていきその薬味・薬方の不思議さと効果に驚いたことがあります。
ちなみに欧米では、育毛のために生の汁や浸出液で頭皮をマッサージするといわれています。…が、私はまだ試したことはありません。


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