自然保護の知識と行動

目に見えるゴミ・目に見えないゴミ その1
 



 

 地球は閉鎖系です そのB の中で元素の話をしました。元素は目には見えません。目に見えないものには私たちはなかなか考えがおよびません。
元素に色がついていれば意識をするかもしれませんが、危険なものであっても気がつきません。それが私たち人間にとって危険なものであっても形がなく目に見えなければ、避けようもありません。

自動車がガソリンを使って走っていることは知っていますね。
あなたはガソリンスタンドで確かに液体のガソリンを入れました。
自動車がガソリンを燃やして走ります。そのうちガソリンはなくなります。
なくなれば、またガソリンを入れます。
液体のガソリンがなくなった時、そのガソリンがどこへいったか気にしていますか。

目に見えないので誰もあまり気にしていません。
消えてなくなったと思っているのです。
そのガソリンはけっして無くなったではありません、気化して形を変えただけです。

何億年か前に地球上にあって有害であった物質、何億年か前の炭素や硫黄や窒素でありそれと酸化してCO2・NOX・SOXとなり何億年の眠りから解き放たれ、地上に振りまかれ蘇った瞬間なのです。それがガソリンが無くなったということなのです。

空気の循環は大気が出来た何十億年も前から絶え間なく繰り返されています、その循環の中に拡散していきました。つまり実は目に見えないのですがゴミなのです。CO2という地球温暖化を促進するゴミになったのです。 
化学肥料や農薬も見えないゴミになります。
例えば窒素系化学肥料なども、一酸化二窒素となり温暖化ガスとなります。

農薬はピンクや赤の色がついていれば気になるのでしょうが目に見えないので気にせずに田んぼにまかれています。
目に見えない除草剤・殺虫剤の農薬も草や虫などに効いて草や虫が死ぬのです。

その死骸は食物連鎖の循環にのって広まっていきます。やがて大型の鳥の体にも入ってきます。
農薬は難分解ですからすぐには分解せず、生物に有害なまま循環していきます。

それが何年も繰り返されて、やがて私たちの体へと循環していきます。
見えるゴミは見苦しく、廃棄物処理場の不足や焼却による二次汚染など問題になり、物理的に厄介なゴミとして見られます。
しかし、見えないゴミは見えないからこそ実は見えるゴミ以上に深刻で厄介なゴミなのです。

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高見豊

日本野外生活推進協会

 

 
 
 
 
             
 
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