自然保護の知識と行動

山の自然
 



 

自然の循環の目を通して身近な自然を観てみましょう。
私たちの住んでいる丹波市は日本海と瀬戸内海の中ほどに位置しており、日本海側の気候と太平洋側の気候の狭間にある盆地なのでよく霧が発生します。

そう高い山はなく、日本一低い中央分水界があり、丹波市に降った雨は日本化へ流れる水と、瀬戸内海へ流れる水に分かれます。
山には針葉樹や照葉樹や落葉樹があり、そうした樹木をはじめとする様々な動植物が生息して生態系を形成しています。
日本のふるさとの原風景ともいえる美しい丹波の、四季の移り変わりの中にも自然の循環を見ることができます。山の栄養
春には樹木は新芽を出し、森の動物たちも
いっきに活気付きます。

虫たちも幼虫となり葉っぱをたくさん食べ夏には成虫となります。シジュウガラなどの虫を食べる、小鳥たちも食料がたくさんあって、子育てのチャンスです。夏鳥も森にやってきて大賑わいとなります。森の動物たちも子育ての最盛期を迎えます。

山の樹木が花を咲かせ実をつける春から秋にかけては植物にとっても動物にとっても、画期的なドラマが展開される一番大切な季節です。植物は花を咲かせ、ミツバチや小鳥に花粉を運んでもらい受粉を助けてもらえる絶好の機会です。動けない植物は森の生き物たちと共存関係にあります。小鳥は木の実を餌として食べますが、食べた種を糞と一緒にあちこちに運んでくれるので動けない植物たちはおお助かりなのです。動物の体にくっついて運ばれる種もあります。

風はモミジの種を遠くまで運んでくれます。自らはじけて飛んでいく種もあります。
秋が深まると樹木は木の実を落とします。その木の実は厳しい冬を乗り切らなければならない動物たちにはありがたい贈り物になるのです。
寿命の尽きた樹木も虫たちの棲家となったり食料になったりします。
立ち枯れになった木も小鳥たちの巣になったり、動物の家になったりしています。落ち葉や枯れ木も虫たちが食べた後キノコなどの菌類が分解して腐葉土をつくります。腐葉土は有機質たっぷりの表土となり積もっていきます。
豊かな良い森とはフクロウなどの猛禽類が生きていける森であり、多種多様な生き物がたくさん棲んでいる森のことです 。

植物から始まる山の自然の営みが山の栄養をつくっているのです。




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このシーリズは、身近な自然知識を紹介しています。

高見豊

日本野外生活推進協会

 

 
 
 
 
             
 
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