地震に強い丹波
・1923年、9月1日午前11時58分、相模湾の海底を震源としたマグニチュード7.9の大地震が発生した。いわゆる関東大震災である。後藤新平を中心とする帝都復興計画の策定と並行して内務省は、首都移転地にふさわしい地震に強い安全な地域調査を実施した。全国から最終12の地域が抽出提示され、そのひとつに兵庫県の丹波高地がある。現在の篠山市である。
・丹波地域は、青垣町の烏帽子山から粟鹿山の一部の「舞鶴帯」を除き、ほぼ全域「丹波帯」といわれる地質で構成されている。丹波帯は大きく丹波層群と生野・有馬層群そして沖積層から構成されている。かつての多紀郡である篠山市は、旧今田町を除きほぼ全域古世層の丹波層群で占められ、その上に新世層の沖積層が堆積し山裾が急峻となった地歴を持つ。現在も標高300m以上の丘陵・山地(盆地内の小丘除く)は、古世層の丹波層群であり、全国でも有数かつ県下で最も安全な強固で安定した地盤を形成している。.
・ちなみに旧今田町から氷上町を占める生野・有馬層群は、中世層であり、流紋岩、花崗岩、擬灰岩等からなり、流紋岩主体の旧今田町周辺は丹波石の産地を形成している。 |